「ぺんぺんのペタペタ知識欲」のペン姉さん(@penpenwaker231)です。
こんにちは。
現時点(2023年12月20日)では、宝塚歌劇の公演は中止になっています。
宝塚歌劇では宙組(そらぐみ)に在籍した娘役さんが亡くなった話から、一大事騒動になり内部調査などがありました。
上演スケジュールを変更しながら再開しているものの、宙組は再開していません。
一時期は
「宝塚大好きなのにどうしてこうなったの?」
「娘が宝塚好きで音楽学校を受験する予定なのに」
「古くからのファンだけれど……噂にはちらっとねぇ」
多くの宝塚ファンが戸惑いと不安を感じ、宝塚歌劇の復活を楽しみにしています。
歌劇団への調査と同時に「宝塚音楽学校」への聞き取り調査も行われています。
実は、歌劇団への入団は「音楽学校に入学し卒業した女の子」しか入れないのです。
そして、音楽学校への入学試験は中学受験より厳しく、並大抵の根性では蹴落とされてしまうでしょう。
ちょっとだけ「宝塚音楽学校」とはどういうところなのかを宝塚ファン歴33年の私が紹介します。
<この記事でわかること>
- 宝塚歌劇団へ入団には「宝塚音楽学校」入学・卒業が必要
- 募集人数に対して多くの女子が受験。競争倍率は高め
- 昔と今を比較すると試験で問われることが今は厳しい
- 受験専門スクールの存在
2年間教育で大劇場にデビュー!その前に音楽学校への受験の厳しさは鬼!
宝塚歌劇団への入団は、宝塚歌劇団直下の「宝塚音楽学校」で2年間ダンス・歌・演劇などを勉強し卒業後になります。
卒業後は、初舞台公演でラインダンスを披露するのが恒例で、楽しみにしているファンもいるでしょう。
1年生は「予科生」、2年生は「本科生」と呼ばれます。
音楽学校の定員は各40人で中途入学はありません。
受験生は多くて合格するために、受験専門スクールに通う子がほとんど。
宝塚をやめたOGが運営するスクールもあり、かなり厳しい指導と言われています。
ちなみに音楽学校の合格倍率は、平均15〜20%といわれ「大ヒット作品が出た年は倍率はあがる」といわれました。
受験生は毎年多く、40人の枠に入るために若い女の子は必死なのです。
昔は短期間で必要な勉強をして入団された方は多いのに……
今の宝塚音楽学校への入学は、専門スクールの存在なしでは厳しいといわれています。
音楽学校の受験で問われる基準が厳しくなったとは聞きました。
宝塚歌劇団では女子だけの劇団である為、男役・女役を決める為、身長チェックはあります。
舞台映えや最近の身長を考慮して、最近は身長が高めでも女役として活躍するケースはあります。
昔は164センチが男役と女役の境目と言われました。
なぜ、そんなに難易度をあげたのかは分かりません。
昭和世代ファンからいうと、代表的な人気スターさんの入学秘話を聞くと「そんなに厳しくないのでは」と疑います。
退団後も活躍されている方々での話では、
とテレビや雑誌で紹介されていました。
昔は技術より「華やかさ」を求めていたから、トップスターさんの基準がわからない時期はありました。
今は、昭和時代と全く問われるものが違っていると感じます。
受験スクール入学の時点から宝塚的な指導はあるかも
私自身、一時宝塚に住んでいたことがあります。
宝塚といっても広いけれど、逆瀬川や宝塚南口あたりに「宝塚音楽学校入学」のためのスクールはありました。
夕方や夜遅くに大きな荷物を持って、バレエダンサー風にお団子頭にしているお嬢さんをよく見かけました。
JR・阪急宝塚線から大劇場へ続く「花のみち」にあるお店では、受験時に必要なレオタードやタイツなどを売っているお店もあります。
試験は全て黒のレオタードとバレエタイツ、バレエ用のシューズで受験します。髪の毛も顔が見えるようにします。
ドキュメンタリー番組でも過去に紹介されていますが、宝塚独自の口調で教える先生と涙ぐみながらも踊る生徒さんの姿。
普段から泣いてまで教わりながらレッスンを受けるのは、なにか違うなと感じました。
宝塚音楽学校を受験できるのは、中3生から高校3年生(どちらも卒業見込みあり)の女の子のみ。
中3や高3のお嬢さんは、不合格時のために進学先を確定させながらの受験になります。
入学試験ってこんなにきびしいの?!1次試験と2次試験あり!
入学願書は、10月から販売(1部/2200円・税込価格)され、音楽学校か全国の紀伊國屋書店・ブックファーストなどで販売されます。
そして、今では全国から受験するお嬢さんが多いので
- 1次試験(面接のみ。宝塚と東京)
- 2次試験(面接・歌唱・舞踊)
- 3次試験(面接と健康診断)
が行われ、どんどん振り落とされるシステムになっています。
2次試験・3次試験は宝塚本校で行われ、1次・2次試験通過者のみです。
試験代は必要で、1次試験は10,000円。2次試験は20,000円(いずれも税込)。
2次試験代金には3次試験分も含まれています。
面接ではハキハキ言わないといけないし、歌唱は指定の課題曲と「初見曲」があります。
初見曲はその場で配られたものを見て、すぐに歌わなければならないのでピアノや声楽を習っていない子にはきついでしょう。
YouTubeで音楽学校の課題曲伴奏や、初見曲になる可能性がある曲が公開されています。
本サイトで載せる予定でしたが、著作権や著作隣接権、受験する生徒さんを考慮して、楽曲掲載は控えます。
舞踊は全てクラシックバレエで、本科生のお手本を初見で踊り、バレエ用語の指示を聞きながらの試験です。
おそらく、2次試験の内容が一番きつくて、付け焼き刃の受験では無理です。
【参考元】
宝塚音楽学校:生徒募集について→こちらから
宝塚音楽学校ってなぜそんなに入試が厳しいの?
昔、音楽学校の受験に挑戦した女の子のドキュメント番組を見ました。
入学後の追跡も放送され、音楽学校の下級生が掃除を「どこまでするの?!」という姿も見ています。
掃除や上級生からの注意を受けながらも、自分のことも頑張るしで休むひまもないぐらい大変。
入学後も厳しい指導は続くのに、入学試験もなぜ難しいのでしょうか?
試験で先に華やかなトップスター発掘のため?
昔は多少歌唱力がなくても、舞台映えする方がトップスターになった時期はありました。
入学式の様子を見ると全て完璧そうなお嬢さんばかり。
親は「子供の憧れなら」とお金に糸目をつけないご家庭は多いです。
音楽学校時代に試験で成績はつきますが、さらに入団後も成績優先だから苦手分野のレッスンには通います。
なぜここまで何もかも完璧な方ばかりのお嬢さんばかりになったかは、私もわかりません。
音楽学校入学試験で、将来性のある子の基準を変えた可能性は高いと考えられます。
予測通りにいかないのが入学後のこと
やっと音楽学校を卒業してラインダンスを披露後は、1年間はグループ分けされます。
入団2年後に組配属は決まるけれど、早めに退団してしまうお嬢さんは多いです。
主役級のトップ娘役で早くて4年目で抜擢されるケースがあります。
しかし、トップ男役さんとなると10年目ぐらいでないとなれないケースが多いでしょう。
音楽学校を首席で卒業した子でも、早くに退団している場合は多いです。
逆に成績が下だった子が、どんどん主役や重要な役に選ばれてることはあるでしょう。
憧れて音楽学校へ入り、歌劇団に入っても今までの努力が報われないことがあるのは「芸の世界」ではありうるのです。
実際に受験した私の友人の話。文句なしそうな子でも落とされる世界
私は27歳から4年間、百貨店の文化サロンで「大人のクラシックバレエ」を受講していました。
クラスで親しくしていた人がレッスン待ちの際
と話してくれて、どういう内容だったか話してくれました。
残念ながら不合格でしたが、昔のトップスターさんの話とは違うらしいのです。
それでは、実際に受験した子の話を紹介します。
短期レッスンでは合格は絶望。スクールに通った素晴らしい子でも落とされる世界
バレエのクラスで話してくれた子は、高2で受験しました。
もともと宝塚ファンで、音楽学校のことは知っていて「私もあの舞台に立ってみたい」と親に話したそうです。
当然、娘が突然話したことには驚くでしょう。
なんとか説得して「今回だけだよ」と約束しての受験でした。
そして、受験に必要なことを調べ、秋からクラシックバレエと声楽を習いました。
まず、バレエは速攻で技術や「パ」と呼ばれる動きの指示語は覚えられません。
声楽も受験に必要な声量や、初見の譜面読みは1年でも頭には入ってこないものです。
とにかく、彼女は
と宝塚音楽学校の受験した思い出作りで受験に挑みました。
YouTubeで公開されている初見曲を聞く限りでは、少し意地悪な拍を取る曲は含まれているので、長期的に勉強する必要はありそうです。
やっぱり不合格だった。他の子はどうだったか?
声楽では音をはずし初見では全く歌えず、さらに舞踊では踊れなかった彼女はどうなったでしょう?
やはり、不合格でした。
さらに、舞踊で自分は踊れなくて「情けない」気持ちになったのです。
面接だけは頑張って話したけれど、ハキハキと話す他の受験生に「記念受験をした申し訳なさ」を感じたといいます。
一緒に受験し、とても素敵だと思った子はどうなったかは知らないといいます。
合格しそうな子でも受からない子はいて、再受験する子はいます。
ただし、年齢制限で特に高3のお嬢さんの受験は、大学受験と並行してレッスンとなるので相当厳しいはずです。
2024年度試験の願書受付は2024年1月9日〜2月1日まで(簡易書留)。
1次試験は宝塚は3月17日、東京は3月20日。
2次試験は宝塚は3月23日、3月24日。
3次試験は宝塚のみで3月26日。
1次・2次試験はそれぞれの受験地でネットで結果をみて次の段階へ進みます。
3次試験合格者は、その日にうちに入学金などの手続きを行います。
まとめとして。宝塚音楽学校の受験は簡単ではない
この写真は音楽学校生が憧れる「宝塚大劇場」の入り口です。
街全体が華やかで素敵な場所なので、たどり着いた時から気分はあがります。
華やかさとは反対に、宝塚歌劇団員を育成する「宝塚音楽学校」へ入学するのは、並大抵なことではありません。
受験スクールで厳しい言葉で叱られている子はいます。
「トップスターになりたい!」と夢があるから頑張れるのでしょう。
高い受験倍率の中、合格後は厳しいしつけやレッスンが待っています。
ところで、2024年度受験生は、宝塚歌劇内で起こった話で「音楽学校受験生は減るのでは?」言われています。
おそらく、今まで入団のために頑張ったお嬢さん達は、受験はするけれど競争倍率は減るかもしれません。
中学受験とはまた違う世界ですが、厳しい競争の中で頑張る女の子にどうか幸あれと祈るばかりです。
【追記】第112期生(2024年度入学)合格発表が出ました。今世紀最小倍率!
今日(2024年3月27日)、2024年度入学となる第112期生の合格発表が行われました。
合格発表は、コロナ前では音楽学校内の掲示板で行われていました。
現在は「密」を避ける為、同校の特設サイトで受験生が合否を確認すると変わりました。
毎年受験が始まり出した時期に、受験者数などがかなり詳しく発表されていましたが。
今回は、一連の問題の影響か合格発表日に詳細な数字が公表されました。
受験者数と合格倍率は?今世紀始めての倍率
2024年度の受験者数は、480人が受験し40人が合格したと発表されました。
合格倍率については12.0倍で、前年度(2023年)の合格倍率15.3倍を下回りました。
過去の受験倍率を見ると、ベルばらブームや人気作品が公開された年は高倍率になりやすいです。
過去最高倍率は、1994年度(82期生)の48.8倍と発表されています。
毎年20倍前後の数字を出していた「宝塚音楽学校の合格倍率」。
報道された一連の大問題について、完全解決までは受験を控える傾向になる可能性はあるでしょう。
ファンのひとりとしては、早期解決をして素敵なタカラジェンヌさんが安心して舞台に立てるように祈るばかりです。