こんにちは。
ペン姉さん(@penpenwaker231)です。
漫画「ドラゴン桜」がテレビドラマ化し、ヒットしてから、あらゆる勉強法に「東大式〇〇」つく本や動画チャンネルが増えたように感じます。
実際に東大卒業者がある資格試験に関する動画チャンネルが話題になり、視聴者回数が多いと評判になっています。
「東大式勉強法」と名前がついた本やサイトなどが世に溢れかえっていますが、冷静に見ると「東大に入学し、そのまま卒業した方の勉強方法」を紹介しているだけにすぎないと思います。
とあるご家庭にご協力をいただき、貴重な話を聞けました。
家族構成は3人家族で以下の構成です。
- ご主人:旧帝大(東大ではない)の工学部・修士課程修了
- 奥様:指定校推薦で短大卒業・完全文系
- 娘さん(2022年時点では高3。完全文系。指定校推薦で経済系の学部へ進学予定)
「東大式勉強法ってご存知ですか」と話をぶつけてみたところ、ご主人からは「いやー、東大式って名前はいらないと思います」とあっさりと否定に入られました。
資格勉強でも「東大式勉強の方が省エネで記憶できる」と言われるのですが、それは誰にでも使えることなのでしょうか?
いろんな角度から「東大式勉強法」について考えてみて、誰にでも使えるのかをまとめました。
「東大式勉強法」とは実は理屈が分かれば誰でもOK

見出しを見て「え?!そうなの?!」という方はいるかもしれませんが、「東大式勉強法」は理屈がわかれば、誰にでも通用する方法なんです。
よく「関連づけて覚えなさい」と東大卒業の方々の本や動画で紹介されるのですが、関連づけの方法が説明されても「わからない」という方が多いのではないでしょうか?

ある問題で答えに辿り着くにはプロセスがあります。
答えを導き出すには、公式や覚えなければならない数字を「覚える」必要があります。
なんでも関連づけとなると、結局は公式類や導き出す定められた数字を覚えることからは逃れられません。
それは、省エネ勉強法と呼ぶのはちょっと意味が違うのではないでしょうか?
算数・数学大好きの人から見る「脳の働き方」がヒント

さまざまな記事や数学大好きな人、そして夫からも話を見たり聞いたりしたところ、「算数・数学大好きの人の頭の働かせ方の違い」に気づきました。
私は小学校時代は算数は苦手で、さらに数学の「証明」が大嫌いでした。
工学部卒業のご主人は、数学は仕事では一切使っていません。
ただし、毎年大学共通テストの数学と難関国公立大学の数学が新聞で公開していると解いていて、解けた時はにやりと微笑んでいます。
ご本人に聞いてみると「問題を解いてみて正答だったときの快感」と正答を導き出すまでのプロセスに関係があるようです。
最初はわからなくてもいい。何度も解く中で解き方を見つけ出す
授業や受験用の算数・数学の問題集を解いていると、最初は「解けない」問題ばかりでしょう。

脳科学を研究している「脳の学校」代表の加藤俊徳氏によると、「算数・数学のできるできないは、生まれつきの能力差ではない。訓練次第で算数・数学に関する脳の回路を太くできる」と述べています。
解説によると、初めて解く問題は「わからない」がほとんど。
一発で解ける子は何が違うかというと、「算数・数学に使う脳の使い方やルートが違う」のだというのです。
まず算数・数学が得意な人の考え方や鍛え方は、
- まず解いてみる、わからなくてもいいから解いてみる。
- 何が答えに導けなかったかを検証
- 正答に導くものが足りなければ(公式など)、ノートに書き出すなど記録する
- 書き出したノートを見ながらでもいいからもう一度解く。
- また間違えれば、また検証。
- 最終的にはノート類を見ないで解く。
- 忘れた頃にもう一度解いて、正答が出るかを確認。
最初はわからなくても、わからないところをチェックしながら反復学習して、覚えていく。
難しく見えるようですが、これらの作業は脳のすべての部分を使っていて、正答までに導く脳内のルートを強くしているだけなんです。
「脳の省エネ利用法」と言われますが、一部分に負担をかけている勉強法ではなく、思考や読解力、記憶力など脳全体を使うので、勉強での脳への負担を分散させて楽にしているだけなのです。
正答できた時の「喜び」が算数・数学好きへと導く
人は何かをできた時「嬉しい」って気持ちが沸き起こりますよね。
算数・数学大好きな人に聞いてみると、何度も解いてみて解けない。
やっと正答が出せてプロセスも、解説通りだったとわかると「嬉しい」を通り過ごして「快感」になるといわれています。
難しい問題を解いてみる→できた→快感!
悩みながらも解いた問題ほど、快感度は高いけれど、その時に算数・数学に対する脳内での働き方が変わり、解き方のルートが変わっていきます。
さらに、何度も反復して問題を解く癖づけや、わからない点をノートにまとめるなど、自分なりに楽に整理できるものができると、「応用問題」に対しての苦手意識が消えて、応用問題もクリアできると、快感度があがりますます算数・数学が得意になるわけです。
中学受験の算数はとんちが必要な部分はありますので、基礎固めに東大式勉強法を使うと、応用問題に対しての苦手意識が少なく、解けた時の快感を感じたくて、バリバリに頑張るでしょう。
高校進学後にチャート式でも青バージョンを基礎編として使う生徒さんが多く、国公立で理系となると赤チャートで鍛えるのが一番ともいわれています。
気をつけたいこと!すでにできている勉強法を完全否定しない!

東大式勉強法についての本はたくさん出版されています。
どの本を読めばいいかわからないぐらいたくさん!
「反復勉強法」は確かに証明されていて、やり方を間違えなければ、子供さんはもちろん大人にも使える方法です。
ところが、人間には心はありますし機械ではありません。
強制的に「この勉強方法でしなさい!」と押しつけてしまうと、すでに自分で確立している勉強法を否定された、さらに掘り進めると「人格否定された」と誤解を生んでしまいます。
子供さんやあなたが「東大式勉強法」についていけるかは、今までやってきた勉強法と並行利用してみて、しっくりくるタイプの勉強法を選択するのがいいと思います。
まとめとして

つまらない話ですが、昔東京へ遊びに行った際に「東大とはどういうところだろう?」と実際の東大へ行ったことがあります。
大学内は本当に普通の大学で、見かける学生さんはどこにでもいるような「平凡な学生さん」ばかりでした。
最近になって「東大至上主義」とも呼ばれる東大が最高学府とあがめられ、入学した学生さんの勉強方法がテレビなどで紹介され、注目を浴びて更に勉強本関連がよく売れるようになりました。
個人的には「東大式勉強法」と呼ぶことに違和感を感じ、整理してみると「取り入れてもいいけれど、押しつけてはいけない。徐々に取りいてもいいのではないか」と感じました。
これは個人的な感想なので、「東大式〇〇」を完全否定しているわけでもないし、上手に取り入れられたら、苦手科目が好きな科目になればいいなぁと願っています。
特に中学受験の算数は、これから少しずつ難易度があがるとも言われています。
【補足:2023年3月8日】
2023年度入学予定者に出した課題では、全ての教科に対して「思考力」を求める傾向が強くなっています。
算数に限らず出題全科目に「記述式」を出して、偶然の正解を出させない考え方で今後は出題されると考えられます。
少しずつ勉強方法の方針の転換として、「東大式」を入れてもいいかもしれませんね。